磨き方の基本や義歯の取り扱い方は、口腔ケアの基本のページと同じです。

(1)要点
@ 一回の指導は5分以内にとどめ、開口時間を長引かせないよう留意する。
A 体の状態は、なるべく起こし気味に行う。
B 向かい合って磨くよりも、横の位置、もしくは後方より磨く。
C 一本一本の周囲を丁寧に磨く。
D 洗面器等をそばにおいて、口をすすがせながら行う。
E 歯ブラシと水の入ったコップ等を用意し、歯ブラシを洗いながら行う。
F 介助者に全く頼りきりにならないよう、自分でできる可能なことは自分でできるよう、指導・介護を行う。
(2)用意するもの
ぬるま湯/吸い飲み、コップ、ストロー等/歯ブラシ・歯間ブラシ・フロス・舌ブラシ・義歯ブラシ/開口用具(割り箸にガーゼを巻く)/巻綿子(割り箸に綿花を巻く)・綿棒/ガーグルベースン・ボール、ペットボトル、カップラーメンの空容器等/含嗽剤/タオル、エプロン、ガーゼ、ティッシュ等/グローブ、速乾性手指消毒剤等/電動歯ブラシ(デントエラック給吸ブラシ910等)
(2)体位について
本人がどのような体位を取れるかによるが、唾液や吐出液を誤嚥しないように(安全性)、本人や介助者が疲れないように(安楽性)を重視して体位を選ぶことが大切である。座位またはファーラー位は、気道に誤嚥しにくい安全な体位であるが、食事や口腔清掃の介助時に気道伸展位を取らせないためにも、本人が介護者を見上げることのないよう注意する。
@仰臥位
顔だけはやや横に向けて口腔清掃を行う。
A側臥位
片麻痺のある場合に適します。やや頭部を挙上し、セミファーラ−位と組み合わせると良い。原則として健側を下にする。
Bファーラー位(半座位)(45°〜60°)
疲労しにくい。食事時や座位の休息時に良い。
ずり落ちる場合もあるので注意する。
Cセミファーラー位
ほとんど起こせない場合、比較的誤嚥しにくい体位。
口腔清掃時、さらに横向き(側臥位)にしたほうが誤嚥を防げる。
D座位(起座位)
前かがみにできるので誤嚥しにくい。
疲労しやすい。(疲労しやすい患者さんは特に注意する)
座位では膝の下と後頭部に膝あて等をあてがい、間をあけたほうが首や腰を使うので良い。そうしないと自力を全く使わないので良くない。

(3)ブラッシング指導
(A)前処理
@ 胸元および肩下から口元にタオルをあてる。
A 口を開けてもらう(開口困難な場合は開口用具を使用)。
B 義歯があれば本人または介護者にはずしてもらう。
C 口腔内を観察する。
D 最初にうがいをさせて様子をみる。
E 吸いのみなどでぬるま湯を流し、しっかり吐き出させてガーグルベースンを口元に持って行き受け止める。
F 吐き出し終わると同時にタオルで口元を押さえる。
G 日頃行っている磨き方を介護者にやってもらう。
(B)術者(歯科医師・歯科衛生士)磨き
@ 歯ブラシの当て方、動かし方について介護者に指導し、介護者と一緒に工夫しながら毛先磨きをする。
A 毛先を積極的に歯肉溝(歯と歯肉の境目)、歯間部へ到着させ、その部へ適度な刺激を加える。(快感磨き)
B 歯ブラシで取れないときは、歯間ブラシ・フロス・綿棒を使用する。
C 歯ブラシの汚れは、その都度コップのぬるま湯で洗う。
D 舌苔がある場合は舌ブラシもしくは歯ブラシで清掃する。
E 吸いのみや噴霧器でぬるま湯を口内に流し、しっかり吐き出させてガーグルベースンを口元に持って行き受け止める。同時にタオルで口元を押さえる。
F 口腔内に残ったぬるま湯は、麻痺側を下にして麻痺側の口角を引っぱって出すか、ガーゼや巻き綿子でふき取り、口の中に残さぬよう注意する。
G 掃除機を利用した手製の吸引器を使用するのも良い。
(C)介護者磨き
@ 一通り歯磨きをした時点で介護者にやってもらう。
A 介護者が上手にできるように、分かりやすく指導する。
B この点は油断してはいけないということを繰り返して練習し、アドバイスする。
C 次回訪問時にも助言し、安心感を与え、次第に軌道に乗せてゆく。
(D)うがい
Tうがいさせる場合
@ 顔を手前に向け、ガーグルベースンを頬に当てる。
A 吸いのみやストローの先を口角から入れ、ぬるま湯20〜30ccを静かに含ませる。
B できるだけ口腔内に行き渡るようにすすがせる。
C ガーグルベースンの縁が口角よりやや下方になるように頬に密着させる。
D ガーグルベースンを頬から離すと同時に、タオルで口元を押さえる。
E 吐出液から口腔内の汚れが消えるまで、うがいを繰り返す。
U洗浄する場合
@ 顔を手前に向け、ガーグルベースンを頬に当てる。
A 開口しにくい場合、開口器・巻綿子等を噛ませて十分に開口させる。
B 吸引器のカテーテルを、口腔内の下になっている側の臼後三角(下の親知らずの後ろ付近)に挿入する。
C 注射筒や噴霧器等を用い、ぬるま湯15〜20ccを口腔内に行き渡るように洗浄する。
D ガーグルベースンを頬から離すと同時に、タオルで口元を押さえる。
E 口腔内がきれいになるまで洗浄を繰り返す。
V清拭する場合
@ 巻綿子をコップ中のぬるま湯に浸し、コップの壁に押し当てて十分に絞る。
A 開口しにくい場合、開口器・巻綿子等を噛ませて十分に開口させる。
B 舌圧子(アイスクリーム棒)で頬粘膜と歯肉との間を静かに広げる。
C 歯ブラシや歯間ブラシも使い、口腔内を清拭する。
D 指にガーゼを巻き、徒手で清拭しても良い。
(E)後処理
@ タオルで周囲を拭く。
A 口腔内を観察し、問題がないか確認する。
B 口唇が乾燥してたり亀裂があるときは、リップクリームを塗布する。
C 義歯を装着してもらい、タオルと背部の枕等を取り除き、楽な姿勢にさせる。

ケース別実践方法

口腔ケアの基本
介助者が行う口腔ケア
口腔乾燥症の口腔ケア
痴呆症の口腔ケア
摂食・嚥下障害の口腔ケア
誤嚥性肺炎の口腔ケア
経管栄養の口腔ケア
片麻痺の口腔ケア


 


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